引き渡しは「鍵を渡して終わり」ではなく、30年後の住み心地を左右する起点です。取扱説明書・保証書・施工写真集・確認済証などを揃えて引き渡し、その後も定期点検と緊急対応で支えます。法定保証は構造10年・防水10年・設備2年。当社はこれに1・2・5・10年点検と24時間対応を上乗せします。
1. 引き渡しまでの全体像
工事完了から引き渡しまでは、完了検査 → 施主検査 → 是正 → 書類整備 → 鍵の引き渡しという順序です。どれか一つを飛ばすと、後々のトラブルにつながります。慌てず、一つずつ確実に進めます。
2. 完了検査 — 2種類を順に
まず行政の完了検査(建築基準法への適合性)。合格すると検査済証が発行されます。次に施主検査(品質確認)を監理建築士と一緒に実施。両方を経て初めて引き渡しです。
3. 施主検査のチェックポイント
施主検査では、図面どおりか・仕上げに傷がないか・建具の開閉・水栓と排水・コンセントの通電・設備の動作を一つずつ確認します。気になった点はその場で写真とともに記録し、遠慮なく指摘してください。検査は品質を守るための正当な権利です。
4. 是正リスト管理
施主検査で見つけた指摘事項を是正リストに。傷、色違い、寸法ズレ、動作不良など、通常 40〜60 件挙がり、1〜3週間で全て解消します。ゼロになる前に鍵は渡しません。
5. 引き渡し時に受け取る書類
| 取扱説明書 | 設備・建材ごとの使い方と手入れ |
| 保証書 | 本体・設備・メーカー保証の一式 |
| 施工写真集 | 隠れる部分(基礎・配筋・防水)の記録 |
| 確認済証・検査済証 | 法適合を証明する公的書類 |
6. 法定保証の範囲
| 構造耐力上主要な部分 | 10 年(瑕疵担保責任) |
| 雨水の浸入を防ぐ部分 | 10 年 |
| 設備機器 | 2 年(メーカー保証は各々) |
| 仕上げ材 | 1〜2 年 |
7. 定期点検サービス
1年・2年・5年・10年に無償点検を実施。クロスの隙間、建具の調整、コーキングの劣化など、早めの補修で大きなトラブルを防ぎます。点検記録は写真付きで残し、次回に引き継ぎます。
8. 24時間緊急対応窓口
水漏れ、停電、設備故障などの緊急時は 24時間以内に駆けつけ。海外オーナー様も電話一本で対応できる体制を整えています。緊急連絡先は引き渡し時にお渡しする冊子に明記します。
9. 長期保証とアフターメンテ計画
10年点検で構造・防水を再確認し、条件を満たせば保証を延長できます。外壁の再塗装は約10〜15年、防水の打ち直しは約15年、給湯器の交換は約10年が目安。先々の出費を見通せるよう、長期メンテ計画を引き渡し時に共有します。
「家は引き渡した時が最も新しい」。だからこそ、その瞬間からのメンテナンス設計で30年後の価値が決まります。