2026年、外国人の不動産取得はどう変わる?所有の制限ではなく「国籍の報告」が加わります。4月1日から重要土地等調査法・国土利用計画法・森林法の届出に国籍等の欄が追加され、10月5日からは不動産登記で新たに名義人となる個人(日本人含む)が国籍等を申し出ます。あわせて4月から住所変更登記が義務化(2年以内・過料5万円以下)。外国人が土地・建物を所有できる原則は変わりません。
この記事のガイド:海外オーナーの日本建築
① まず結論——「所有制限」ではなく「報告の追加」
2026年の一連の改正は、政府が土地・建物の所有実態を国籍まで含めて把握するための透明化パッケージです。外国人・海外居住者が日本の不動産を所有できるという原則には手がついていません。変わるのは手続きです——すでにある届出・登記の書式に、国籍等の項目と添付書類が加わります。手続きを知らずに期限を落とすことだけが、実害になります。
② 2026年4月1日から:3つの届出に「国籍等」の欄
| 届出 | 対象 | 期限 | 2026年4月からの変更 |
|---|---|---|---|
| 重要土地等調査法の届出 | 注視区域・特別注視区域内の土地等の取引 | 特別注視区域は契約前の事前届出 | 取得者・法人代表者等の国籍等を記載 |
| 国土利用計画法の事後届出 | 市街化区域2,000㎡以上/その他の都市計画区域5,000㎡以上/区域外10,000㎡以上 | 契約から2週間以内 | 取得者の国籍等(法人は代表者等)を記載 |
| 森林法の事後届出 | 森林の土地の所有者変更 | 取得から90日以内 | 国籍等を記載(法人は役員、議決権50%超の株主も) |
いずれも従来からある届出で、対象になる取引も従来どおりです。都市部で家を建てる規模(数百㎡)の土地取引は国土利用計画法の面積基準に届かないことが多く、実際に関係するのは、大きな土地・指定区域・森林を買うケースです。自分の取引が対象かどうかは、契約前に確認しておきましょう。届出を怠ると罰則・過料の対象になります。
③ 2026年10月5日から:登記のときに国籍等を申し出る
より広く効くのがこちらです。2026年10月5日以降、所有権の保存・移転などの登記で新たに登記名義人となる個人は、「国籍等」を検索用情報として申し出ることになります。ポイントは3つ——
- 日本人を含む全員が対象。外国人だけを狙い撃ちにした制度ではありません。
- パスポート等、国籍を確認できる書類の添付が求められます。
- 国籍等は登記簿には記載されません。法務局が内部で保有する検索用情報です(誰でも見られる情報にはならない)。
これから土地を買って家を建てる海外オーナーは、所有権移転登記のときに一度対応すれば足ります。司法書士が段取りしますので、実務負担は書類が1〜2点増える程度です。
④ 同じ2026年4月から:住所変更登記の義務化——海外オーナーに一番効く変更
国籍の話題の影に隠れていますが、実務でいちばん影響が大きいのはこれです。2026年4月1日から、登記名義人の住所・氏名に変更があったときは、2年以内に変更登記をすることが義務になり、正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象になります。
海外オーナーは引っ越し・帰国・転勤で住所が変わりやすく、日本の登記のことは忘れがちです。所有形態を決めるときから、「住所が変わったら日本の登記も直す」を運用に組み込んでおくことをおすすめします。
⑤ 海外オーナーの実務チェックリスト
- 契約前——買う土地が注視区域・特別注視区域か、国土利用計画法の面積基準(2,000/5,000/10,000㎡)に当たるか、森林を含むかを確認。
- 契約後——対象なら期限つきの届出(国土法は2週間以内、森林法は90日以内)。仲介・司法書士と役割分担を決めておく。
- 登記時——2026年10月5日以降はパスポート等を準備(国籍等の申出)。
- 所有後——住所・氏名が変わったら2年以内に変更登記。海外からの各種報告とあわせて年1回の棚卸しを。
よくある誤解
| ありがちな誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| 「外国人は不動産を買えなくなる」 | 所有の制限ではない。買える原則は変わらず、報告項目が増えるだけ |
| 「国籍が登記簿に載って公開される」 | 登記簿には記載されない。法務局の内部情報(検索用情報) |
| 「外国人だけが対象」 | 登記時の国籍等の申出は日本人を含む全員が対象 |
| 「家を建てる土地でも大規模届出が要る」 | 国土法の事後届出は面積基準あり。都市部の住宅用地は届かないことが多い |
| 「住所変更はほうっておいてよい」 | 2026年4月から義務。2年以内に登記しないと過料5万円以下の対象 |
2026年の新ルールは「買えなくなる」話ではなく、「報告が増える」話です。期限のある届出と住所変更登記だけ落とさなければ、実務への影響は限定的。本記事は法務の助言ではありません——個別の取引は司法書士・行政書士にご確認ください。土地の取得から建築までの段取りは、無料でご相談いただけます。
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