設備は電気・給排水衛生・空調換気の3本柱で、本体工事費の15〜25%が目安。後で交換しにくい配管・配線・容量は最初に余裕をもって設計するのが鉄則。RC邸宅・ホテルは更新性とメンテ性が長期価値を左右する。

1. 建築設備(MEP)とは

建築設備(MEP)は、電気(M=機械・E=電気・P=配管の総称)——すなわち電気設備・給排水衛生設備・空調換気設備の総称です。意匠や構造に隠れて見えにくい部分ですが、住み心地・光熱費・将来の更新性を直接左右します。一般に本体工事費の 15〜25%を占めます(目安)。

2. 電気設備 — 容量・配線・将来対応

分電盤の容量、コンセント・回路数、EV 充電、通信(光・LAN)、防犯・AV まで。容量と配管ルートは後から増やしにくいため、将来の家電・EV・在宅勤務を見込んで余裕をもたせます。

3. 給排水・衛生設備 — 更新できる設計に

給湯方式(エコキュート/ガス)、配管材と勾配、点検口の確保が要点。配管は壁・床に隠れて後から交換しにくいため、更新性(さや管ヘッダー方式など)を最初に設計しておくと長く使えます。

4. 空調・換気 — 快適と省エネの両立

全館空調か個別か、第1種換気(熱交換)か第3種か。24時間換気は法的に必須で、断熱性能(気候設計)と一体で計画すると、快適性と光熱費の両方が効きます。

5. 後で替えにくいものは最初に投資

仕上げや器具は将来更新できますが、配管・配線・容量・換気経路は躯体に組み込まれ後から動かしにくい。ここを削ると将来の補修・更新で割高になります。優先順位の考え方は削ってよい所・いけない所を参照。

よくある失敗・リスク

リスク対策
電気容量不足でEV・大型家電に対応できない将来需要を見込み余裕ある容量・回路で設計
配管を更新できない納まりで、後の交換が大工事に点検口・さや管方式など更新性を最初に確保
換気・空調が断熱と不整合で結露・光熱費増断熱・気密と空調換気を一体で設計
設備費を軽視し、仕上げ優先で容量を削る本体の15〜25%を設備に確保して計画
設備は「見えないインフラ」。仕上げの華やかさより、配管・配線・容量・換気という替えにくい部分に最初に投資することが、20年後も快適でメンテしやすい家をつくります。

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出典・参考